青色申告と白色申告の違い

確定申告をしようと思っているけれど、青色申告と白色申告のどちらがいいのだろう?初めてだと簡単だと言われる白色申告が無難なの?

今回は確定申告初心者の方にも分かりやすく、青色申告と白色申告の違いを紐解いていきましょう。

青色申告と白色申告とは?

まず青色申告と白色申告とは何?という基本的なところからご紹介します。

どちらも確定申告を行う方法の1つですが、皆さんのイメージにもあるように、白色申告の方が何かと制約がなく誰にでも利用できる方法です。

白色申告は言うならば家計簿の延長のようなものであり、現金や預金と言った1つの科目の入出金のみを管理する単純な記帳方法を取り入れたものです。そしてその帳簿を元にして確定申告を行いますが、税務署に対しても白色申告を利用することの届け出などは一切不要です。

一方の青色申告は様々な特典がある反面、条件が定められている申告方法です。大きく分けて3つの条件があります。

1つ目は事業所得もしくは不動産所得を得ている人が利用できる申告方法だという点です。
2つ目は帳簿に関してですが、複式簿記を用いる事とこれらの書類を7年間保存しなくてはいけません。
3つ目は青色申告を行う場合は税務署に事前に届け出を行う必要がある点です。

特典については下記でご紹介しますのでご確認ください。

青色申告と白色申告のメリット

ではここからは青色申告と白色申告のメリットを確認して行きながら違いを見ていくことにしましょう。

青色申告のメリット

まず青色申告のメリットを4つご紹介していきます。

1.青色申告特別控除

最も大きなメリットは青色申告特別控除を受けることで、所得税及び住民税の節税に繋がる事です。

特別控除には65万円と10万円の2パターンがあり、帳簿の記帳方式によって異なります。複式簿記を利用している場合は65万円、簡易簿記の場合は10万円となります。

2.赤字を3年間繰越可能

2つ目は赤字を3年間繰越することができることです。

売上-経費-特別控除-赤字=課税所得

上記の額が所得税の対象となるので、赤字部分にかかる所得税が支払不要となります。

3.家族への給与を経費処理

青色専従者給与として、事業を手伝っている家族に支払う給与を経費として処理することが可能です。

4.少額の減価償却資産を経費処理

30万円未満の減価償却対象の資産であれば一括で経費として処理することが可能です。通常は数年かけて減価償却していきますが、一括で行うことができるので利益が上がりすぎた年には特に有効です。

白色申告のメリット

続いては白色申告を取り入れることのメリットを見ておきましょう。大きく分けて2つメリットがあります。

1.手軽でかつ記帳が簡単

冒頭でも少しご紹介しましたが簡単な帳簿付けで済むことでしょう。勘定科目ごとに仕訳の必要もなく、かつ1日の現金の動きであれば何件かをまとめて記帳することも可能です。

2.税務署への事前届出が不要

白色申告の場合は確定申告前に税務署に届け出をする必要がありません。そのため、うっかり届け出を忘れるというリスクもありません。

青色申告と白色申告のデメリット

では続いては青色申告と白色申告のデメリットをそれぞれチェックしておきましょう。

青色申告のデメリット

青色申告のデメリットは主に3つあります。

1.帳簿つけが面倒

確定申告をすること以前にどうしてもネックになるのが帳簿つけでしょう。青色申告の場合はさまざまな特典がある反面、細かな帳簿付けが必要です。

専門的な経理知識が必要なこともあり難しく感じてしまいますが、そんな時は会計ソフトが役立ちます。ソフトの使い方も慣れれば苦になりませんので、利用することで複式簿記方式でも記帳を難なく行うことができます。

2.税務署への事前届出が必要

青色申告にて確定申告を行うには事前に税務署に届け出をする必要があります。それをしそびれてしまうと、たとえ複式簿記で記帳していたとしても青色申告で確定申告を行うことができません。

3.確定申告時の提出書類が増える

もう1点は確定申告時に提出する書類が白色申告に比べて多くなることです。また確定申告時に記入する事項が多い点も煩雑に感じさせることとなっています。

白色申告のデメリット

では白色申告のデメリットをご紹介していきます。

白色申告の場合は青色申告に比べてデメリットは1つと少なく感じがちですが、節税の機会を逃すという意味では大きなデメリットです。

それが青色申告のメリットの所でもご紹介した各種特典が受けられない点です。特に特別控除や、赤字の繰り越しができないという点に関しては支払う所得税や翌年の住民税にも影響するので大きいと言えます。

2つの違いをメリットとデメリットの両側面からご紹介してきました。いきなり青色申告で行うというのに抵抗がある方は、まずは白色申告を取り入れ青色申告へ移行していくのも1つの方法でしょう。