いざ確定申告をしようと思った時にどのように記入していけばいいのか、何を準備したらいいのか悩むものです。
今回は確定申告書Bに注目し、確定申告書Aとの違いと具体的な書き方をご紹介します。
確定申告書BとAの違い
まずは確定申告書のBとAの違いについて確認していきましょう。
確定申告書AはBの簡易版であり、給与所得や一時所得、雑所得、配当所得のみのであり、かつ予定納税がない方が使用する書式です。予定納税というのは前払いの税金であり、前年の所得税が15万円以上の方が対象です。
確定申告書Bは基本的に誰でも使用できますが、事業所得や不動産所得等がある方が利用する書式です。個人事業主の方の場合はこちらの書式を使用してください。
確定申告書Bの記入に必要な物
では、確定申告書Bを用いて確定申告をする際に必要となるものをご紹介します。
・1年間の所得の内訳が分かる書類
・財産と債務を示す明細書
・医療費に関する明細書
・申告書付表(上場株式などの売却による損失がある方)
・株式などを譲渡したことで得た所得がある方は、その金額の明細書
・給与所得者が定められた特定の支出をした場合、その明細書
該当しないものはそろえる必要はありません。
確定申告書B の記入方法
では具体的に確定申告書Bの記入方法を「第一表」と「第二表」に分けて確認していきましょう。
確定申告書B「第一表」の記入
まず確定申告書B「第一表」から記入していきますが、ここで大前提として1年間の帳簿が完成していることが必須となります。1年間の事業収入、経費などがまとまっていないと記入することができないからです。
会計ソフトなどを利用していると1年間の合計を自動的に計算してくれるので非常に便利ですよ。
確定申告書B「第一表」は以下の8つの項目から成り立っています。
1.税務署と日付
ここには、確定申告を提出する税務署を記入し、和暦で確定申告書の提出日を記入します。
2.申告者の情報
自宅もしくは事業を行っている住所と、確定申告書を提出する年の1月1日現在で住所が異なる場合はその住所を記入します。同じ場合は「同上」で構いません。
個人番号には申告者のマイナンバーを、氏名のフリガナは姓と名前の間に1スペース明けて、濁点は1スペース分使用して記入します。性別はあてはまる方に〇をつけ、職業欄は具体的な職業を、屋号はある場合のみ記入します。
世帯主欄は左欄の住所の世帯主、そして申告者との続柄を記載します、申告者の生年月日の一番左のマスは元号を示し、明治=1、大正=2、昭和=3、平成=4であてはまる数字を記載し、後は生年月日を記入していきます。
種類の欄は当てはまるものがあれば、丸を付け、整理番号は記入不要です。
3.収入金額など
当てはまるもののみ金額を記載します。事業収入のみの場合は「ア」の事業-営業等の欄になります。
ここで記入するのは経費を差し引かない得た金額を記入する点にご注意ください。
4. 所得金額
ここでは所得を記入するので、上記の収入から経費を差し引いた金額を記入してください。
5. 所得から差し引かれる金額
所得から控除を受けることができる金額を記入していく欄です。
6. 税金の計算
課税される所得額の欄は、3.所得金額の所で最終の合計額から5. 所得から差し引かれる金額の合計を差し引いた額を記入します。
その下の欄は所得税の金額を記入しますが所得によって計算式が異なるため、以下のページを確認の上記入しましょう。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm
その他当てはまるもののみ記入します。
7. その他・延納の届出
該当するもののみ記入していきます。青色申告の場合、青色申告特別控除及び専従者給与、白色申告の場合は専従者控除に該当があれば忘れずに記入が必要です。
8. 還付される税金の受取場所
税金が還付される際の振込口座を記入してください。
確定申告書B「第二表」の記入
では次に先に作成した「第一表」の補足的な意味合いを持つ「第二表」の記入方法について見ていきましょう。
1.基本情報
氏名、住所などを「第一表」と同様に記入していきます。
2.所得の内訳
所得の種類(営業、雑、給与など)と支払者および金額を、種類ごとに記入してきます。書ききれない場合は「所得の内訳書」をもらい記載していきます。
3.雑所得など
該当する所得がある場合のみ、所得の内訳と同様に記入していきます。
4.特例適用条文など
住宅ローンなど控除を受ける場合に記入する欄です。
5.所得から差し引かれる額
医療費控除や生命保険控除、配偶者控除、扶養控除など該当の物があれば記入してください。
6. 事業専従者に関する事項
事業専従者がいる場合にのみ記入が必要です。
7. 住民税・事業税に関する事項
この欄も該当する場合のみ記入してください。
特に「第二表」に関しては該当する箇所のみの記入となるので、分かるところをすべて記入し、もし分からない所があれば税務署の窓口で確認することをおすすめします。
確定申告書Bの記入方法と、事前に帳簿を完成しておくことが大前提であるということについてお話してきました。特に初めての確定申告の場合は、早めに取り掛かることをお勧めします。